WEAR sleeve ができるまで(前編)

 

 

プラカップなどを首から下げて持ち運びのできる "WEAR sleeve" をやっとのことでリリースできました。
 
考えはじめてから2年以上、試作品を展示した drifter's stand でのPOP-UPからは1年半以上...。製品化を後回しにしていたわけでもなく、コロナ禍でイベントなどがなかったために発売を延期していたということでもなく、ほんとうにこの年月がかかってしまいました。


大変だったと書きつらねることが野暮なのは承知しつつ、そのあたりの「苦労譚」を書いてみようと思います。


 
ポンサのアイテムは通常、リアルさん (夫のほう:全体のディレクション、写真撮影、グラフィック担当) が「こんなのどうだろう?」とアイデアを提案し、わたし(妻のほう:パターン、制作担当)が形にする、という方法で作られています。


が、この "WEAR sleeve" はポンサが始まった初期のころに、drifter's stand のタケミチさんから「ビアフェスの時に使える、プラカップを首からかけられるのを作ってよ!」と言っていただいたことから制作がスタートしています(たぶんこれが2020年3月ごろ)。


 
わたしはあまり新しい発想ができないので、単純に "WEAR coozie" の形を斜めのカップにあわせるようにできないものかと考えていました。

(こんな感じ)

 

 

しかし、どうしてもパターンができない。

どうしたもんかなぁ、と思っていたところに、リアルさんの前の職場の先輩から、「ジム用のプロテインシェーカーを、持ち運べるようにできるやつがほしい」との依頼をもらいました。

単純にシェーカーに合わせてバッグみたいに作ろうかと思っていたところ、リアルさんが一言「底がいらないんじゃね?」と言ったのが、今から考えるとブレークスルーポイントだったと思います。

なんで?底がなかったら危なくない?いや、斜めだからさ、抜けないじゃん。うーん、どうかなぁ?

 

というような会話を繰り返し、完成したのがこちら(このへんが2020年7月末)。

 

(横にくっついているのはカードケースもつけてほしいと言われたので作ったポーチ)
 
おお、これでいける。
 


ん?底がないってことはさ、あのスタバとかで熱いのを持てるようにつけてくれるやつ、スリーブ?あれにさ、ストラップをつけるってことにすればいいんじゃない?


(これ)

 

 

ということで、"WEAR sleeve" の構想ができあがったわけです。
 


この1か月くらい後、2020年9月初旬に drifter's stand で POP-UP STORE をやらせていただいた際に試作品として展示したのはこちら。
 

 
(下の左端っこに写っているもの。なぜかこのとき2人ともちゃんと写真を撮ってない)

 

 

この時はまだサイズの調整ができず、シンプルな構造がいいんだと思い込んでいて「ポンサはクージーもそうですけど、ワンサイズで潔い感じにしたいんですよねー。入らないカップがあるのは仕方ないっていうか…」とかなんとか調子にのってお客さまと話していた気がします(穴があったら入りたいですね)。


しかし、POP-UP期間中にビアフェスで使用されるカップをいくつか見ることができ、これはまずい、ということに気づいてきます。

大きさも斜めの角度も全然違う。

なんで統一規格じゃないんだ…。


 
つまり、事前のリサーチ不足が露呈したわけです。この作りでもある程度汎用性を持たせることができると甘い考えを持っていたのですが、それよりもプラカップが多様すぎました。


サイズの調整ができるようにしないと商品化は無理、ということに至り、様々なプラカップとスリーブの収集からやり直しになったのです。
 
 


ここから、1年半にわたる苦難の道がはじまります。
 


もうこれでいいじゃん、いやいや、ここがこうなるからダメじゃん、という夫婦間の攻防が続き、サンプルをゴミ箱に投げ捨て、もう商品化をあきらめようと何度も何度も思ったものです。


そんな時でも前に進めることができたのは、楽しみにしてます!はやく欲しいです!というあたたかい反応を POP-UP 中にいただいたたからでした(なにかの勝利インタビューみたいであれですけど、これはほんとのほんとうに)。


あの時にお話しした方々の期待を思い出し、挫けそうになる日々をなんとか乗り切ることができたのでした。

 

 

(ドリフさんのこの投稿も励みになりました。多謝。)
 
 


さて、ここからが本当のスタートなのですけど、長くなったので続きは後半で。
 
izumi

 

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